猫連れ渡米Tips

概要

Twitterのフォロワーさんの中に、子猫を連れて渡米される予定の方がいらっしゃいます。ただ、渡米に関しての手続きに戸惑っていらっしゃった様子でした。
猫連れ渡米経験者として、ペット(特に犬猫)を海外に連れていく手続きや準備についてまとめておきます。
手続きは煩雑ですが、一組でも多くの方が大事な家族とアメリカでも長く暮らせますように。

本記事はアメリカと日本間の移動を前提として記載します。

(2022/3/19追記:日本を拠点とする航空会社は現状、ペットのキャビン持ち込みを許可していません。つまり、ANAJALの便で一緒に移動する場合、貨物室預けになります。ペットと一緒に居たい場合、海外航空会社を選んでください。)

注意:ペットが日本に帰国する可能性がある場合

日本に帰国予定があるかどうかで一部、日本でやるべきか検討するべきことが変わります。
というのも、日本にペットを連れて入国する前には最低でも40日前に日本の検疫に申請を出しておく必要がありますし、
入国条件の狂犬病予防接種も帰国が決まってからやるとなると、最低6か月間が帰国の準備時間として必要になります。
短期滞在 or 駐在などで突然の帰国が起こりえる場合、このあたりの条件がかなり厳しくなることに備えておく必要があります。

www.maff.go.jp

狂犬病予防接種についての条件は以下の通りです。

2回目の狂犬病予防注射の後(同日可)に採血を行い、日本の農林水産大臣が指定する検査施設に血液(血清)を送り、狂犬病に対する抗体価を測定します

狂犬病抗体検査の採血日を0日目として、日本到着まで180日間以上待機します

狂犬病予防注射の有効免疫期間」及び「狂犬病抗体検査の有効期間(採血日から2年間)」内に日本に到着する必要があります

採血日から180日間以上待機せずに日本に到着した場合、180日に満たない日数の間、動物検疫所で係留検査を受けることになります。

「採血日から180日間以上待機」はなかなか条件が厳しいです。もし1~2年程度で帰国する可能性もある場合、日本で一度、検査まで受けてから出国するのも手だと思います。(検査の有効期限)
また、日本入国時、犬猫にはマイクロチップの埋め込みが必須ですが、日本入国時に認められるマイクロチップ国際標準規格(ISO)11784及び11785に適合するマイクロチップのみです。
(これは自分が調べたときにどこかで見た情報ですが…つまりソース不明)国や州によってはこの規格に該当しないチップが標準として使われているところもあるとのことでした。
そのため、日本で埋め込んでおくのが確実です*1

短期滞在後の手続きについてはこちらに詳しいです。

www.maff.go.jp

渡米手続き

1. 飛行機を予約する

!!超重要!!
コロナの関係もあり、2020年から一部の航空会社がペット同伴フライトそのものを断っています。 そのため、チケットを予約する前に、航空会社にメールもしくは電話で連絡し、ペットが乗れるフライトを確実に見つける必要があります。
また、その他の航空会社も、たいていはペットのフライトには予約が必要とされています。
さらに、ペットを入れるケージのサイズの最大値も飛行機の機種によって異なるため、体の大きいペットが乗れない可能性もあります。
また、ペットが赤ちゃんの場合、フライトができない場合があります。週齢に関するルールもあります。
急いでチケットを先に取ることがないようにご注意ください。

2. 検疫手続き

  1. 輸出先の州の条件を確認する
    • 州によって入国のための条件が異なります。州のドキュメントを閲覧して何が必要か確認します(だいたい狂犬病予防接種、マイクロチップの有無が州によって違う)
    • 入国審査を受ける州の基準に準じます。僕の場合LAX(CA州)が目的地でしたが、経由がSEATAC(WA州)だったため、WA州のルールで検疫を受けました(CA州は狂犬病予防接種は任意だがWA州は必須。なので予防接種受けておきました)
  2. 予防接種、マイクロチップなどを受ける
    • このとき、各種証明書がもらえます。日本の検疫所に提出する必要があるドキュメントなので重要に保管すること
    • アメリカでもこの書類を確認される可能性があるので、英語翻訳したものを合わせて持っておくと安全です
  3. 日本の検疫所に申し込みをする
    • www.maff.go.jp
    • 「輸出時に必要な書類」欄の書類を埋めて、各空港の検疫所にメールを送ります。その後、メールで検疫検査を行う日時を決定します。
    • メールで送付したエクセルのファイルは印刷+印鑑を押した状態で検疫所に持っていく必要があります。
  4. 検疫所に検疫検査を受けに行く
    • 空港に併設されている動物検疫所に行き、対面で検査を受けます
    • 問題がなければ公的書類と「検査済み」を証明するステッカーをもらいます
  5. フライト後、到着空港の検疫所に動物と書類を提示する
    • 僕の場合、チラッと④のドキュメント見られただけで終わりでした

どうやって輸送するか?

1. 飛行機(機内持ち込み)

大抵の方がこのオプションを選ぶと思います。猫1匹くらいであれば、航空会社が指定するサイズのケースに入れた上で機内持ち込みができます。
ちなみに飛行機チケット+追加料金。デルタで$125でした。

航空会社が指定するサイズのケース

かなり小さいサイズしか許容されないので、探し求めるのがかなり大変でした。「椅子の下に入れられるサイズであること」を前提として、たてよこ奥行しっかり明確な数値基準があります。
また、飛行機のモデルによってもサイズが異なるので、乗る飛行機を決めるまでは買うに買えないと思います。(さすがに便変更とかには対応してくれるはず…)まずは飛行機の予約を。

また、サイズの他にも、「網目の窓があること」などの条件があります。
利用する航空会社への問い合わせ+ホームページで十分に確認してください。

機内に持ち込んだもの

僕が渡米したときはこのキャリーケースを買いました。人間一人・猫一匹の移動だったので背負えるのはだいぶありがたかったです。

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%9A%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%88-Pecute-%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%B0-%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9-%E7%81%BD%E5%AE%B3%E9%81%BF%E9%9B%A3%E7%94%A8%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%B0/dp/B086P7FZ91/ref=sr_1_7?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=119VXSZRHX715&keywords=%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88+%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%83%BC+%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%AF&qid=1642036007&smid=A1433J6CWTEFV2&sprefix=%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88+%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%83%BC+%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%AF%2Caps%2C115&sr=8-7www.amazon.co.jp

念のためこのペットトイレも持っていきました。道中で一度使いました。猫のおしっこが保安検査で反応したときは人生終わったかと思った。

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A4%E3%83%9E-IRIS-OHYAMA-OCT-390-%E3%81%8A%E3%81%A7%E3%81%8B%E3%81%91%E7%8C%AB%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC/dp/B002MWDEGQ/ref=sr_1_7?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2NAGMGH4NN54M&keywords=%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A4%E3%83%9E+%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC&qid=1642036043&sprefix=%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A4%E3%83%9E+%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%AC%2Caps%2C99&sr=8-7www.amazon.co.jp

それから、猫用かにかまなどの肉エキス等が入っていないペットおやつを少しだけ持っていきました。
肉エキスが入っているものは飛行機までなら持ち込んでよいかもしれませんが、アメリカ国内への持ち込みは違法なので、食べなかったとしても機内で処分してください。

折り畳みシリコン皿も水飲み用に持っていきましたが、これは結局使わなかった。

https://www.amazon.co.jp/Pawaboo-%E6%90%BA%E5%B8%AF%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9C%E3%82%A6%E3%83%AB-%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88%E3%81%AB%E5%8F%8E%E7%B4%8D-%E4%B8%AD%E5%9E%8B%E7%8A%AC%E3%83%BB%E7%8C%AB%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%B5%E3%82%AE%E3%83%BB%E5%B0%8F%E5%8B%95%E7%89%A9%E7%94%A8-%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%9C%E3%82%A6%E3%83%AB/dp/B08HQMS236/ref=sr_1_5?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=3OW9N91FH4WN5&keywords=%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88+%E6%8A%98%E3%82%8A%E7%95%B3%E3%81%BF+%E7%9A%BF&qid=1642036288&sprefix=%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88+%E6%8A%98%E3%82%8A%E7%95%B3%E3%81%BF+%E7%9A%BF%2Caps%2C123&sr=8-5www.amazon.co.jp

2. 飛行機(貨物室預け入れ)

機内に入れないサイズの子、もしくは複数頭のペットを連れていく場合こちらになると思います。(機内持ち込み頭数制限がだいたいあります)
こちらに関しては僕は経験していないのであまり書けることがありません。航空会社にご相談ください。

3. 業者によるペット便

ペットの輸送を請け負う業者があります。こちらも利用していないので書けることはないのですが、オプションとして。
www.nittsu.co.jp

苦労話

うちのネコちゃんは乗り物もペットケージも超大嫌いです。ずっとにゃーにゃー鳴きます。
フライトは羽田→シアトル→ロサンゼルスで諸々混み約15時間だったのですが、本当に15時間鳴き続けてました。本当に申し訳なかった…。
途中、ストレスでゼエゼエ言ってぐったりしていた時間もあり、本当に気が気でなかったです。
念のため、あらかじめ医師から鎮静剤と酔い止めをもらっていたのですが、与えた直後に口から大量のよだれと泡とともに吐き出してしまいました。
知人から、「フライトのストレスで、到着間もなくペットが死んでしまうケースも多い」と聞いていたので、15時間不安で一睡もできずでした。
このペット輸送はここ数年の中で一番しんどかった(物理的にと精神的に)です。もう二度とやりたくない。

*1:ただ、価格的にはアメリカでやったほうが安いっぽい。参考にロサンゼルスでのマイクロチップ装着費用は$10~$30, 東京は3000円~6000円程度、僕調べ