アメリカの大学入学時に必要になる免疫要件について

TLDR

アメリカの大学に入学する場合、免疫要件というワクチン接種証明が必要だけど、日本人は検査&追加接種を受けないとパスできないので準備しておいたほうがいいよ。という記事。

はじめに

秋学期からアメリカの大学院に入学したのですが、学校入学のための必須書類の中に「免疫情報の提出」というのがあり、これが入学前に突然届きました。
そして期限は約10日後とけっこう急、しかし提出されない場合入学手続きを差し止める、とのかなり強めの文句だったので、かなり慌てながらの対応になりました。
免疫要件は各大学のホームページに掲載されているようなので(未チェックでした…)あらかじめ準備しておけば慌てずに済みます。
というわけで自分の経験シェア&啓発記事です。

留学生に推奨すること

  • 母子手帳は持ってきたほうがいい(小児期のワクチン接種証明ってこれくらいしかないので)
  • 日本の高校卒業後にアメリカの大学に進学する予定の場合は、留学開始1年前からワクチン接種の準備を行ったほうがいい

必要だといわれたものたち

みんな日本で受けてるはずのもの

受けてるはずなので、二種類の対応方法が選べる。

  1. 母子手帳のコピーとその翻訳書類を提出する
  2. 抗体検査を受けてその結果を提出する

Measles, Mumps and Rubella (MMR) 麻疹、おたふくかぜ、風疹

1歳の時に予防接種を受けているはず。母子手帳を確認する。

Varicella (Chickenpox) 水ぼうそう(水痘)

2歳の時に予防接種を受けているはず。こちらも母子手帳を。

受ける必要があるもの

Tetanus-Diphtheria-Pertussis (Tdap) 破傷風ジフテリア・百日咳

日本で接種されていないワクチンなので対応が必要。日本では2歳で小児版のこのワクチンを受ける。Tdapは大人用で、日本では接種されていない。大学入学時には10年以内の接種が求められるので、対応が必要。

日本では輸入ワクチンとして自由診療で接種することができる。値段は1万円~1万5千円ほど。場所によって異なる。

アメリカでは$50~80ほど。時間に余裕があるならアメリカで受けたほうが安い。 CVSやスーパーマーケットの薬局など、どこでも受けられる。

Tuberculosis Screening/Risk Assessment (TB) 結核スクリーニング

レントゲンを撮るか、抗体検査を行うかのオプションがある。
証明書の取得が必要。

Meningococcal Disease (Serogroups A, C, Y, W-135) 髄膜炎菌ワクチン

日本で接種されていないワクチン。21歳以下の留学生は接種が必要。
日本で受けると自由診療で2~3万円ほど。
アメリカでは連邦で推奨されている接種なので、ほとんどの場合保険が効くらしい。対象年齢ではないので詳細は不明。通う大学と保険会社に要相談・確認。

Hepatitis B (Hep B) B型肝炎ワクチン

18歳以下は接種が必要。日本では2016年10月1日から定期接種の対象になった比較的新しいワクチンとのことなので、接種していない人も少なくないはず。高校卒業後すぐに大学留学を開始して、留学先の授業開始2か月前にまだ誕生日を迎えない場合、接種しておくことを推奨(免疫状況のチェックは学期開始前に行われるので)。
こちらも自由診療で接種できるが、接種が完了するまでに一年近くかかるようなので(全部で3回の接種と最後に抗体検査をするらしい)、留学をしたいかも、と思った時点で日本で受けちゃったほうがよさそう。

日本で受ける場合、合計で約2万5千円~4万円かかるとのこと。
アメリカでは一回$120~130で薬局・スーパーマーケットなどで接種可能。

Covid-19ワクチン

3回目までの接種が必須(このポリシーは学校にもよる? 自分の場合は必須でした)。

最終的にどう対応したか

自分の場合、すでにアメリカ国内にいて、学校推奨の保険を買っていました。保険会社に連絡したところ、これらの要件を満たすための予防接種や検査は保険でカバーされるとのことで、保険に対応しているアージェントケアに行って、負担$0で対応できました。

やったことは以下の通りです。自分は既にアラサーだったので髄膜炎B型肝炎は受けず。

  • Tdap接種・接種証明書発行(即日)
  • 抗体検査(MMR水疱瘡)(2日後結果発行)
  • 胸部レントゲン→検査(2日後結果発行)

保険会社の判断によってはレントゲン費用は全額出ない可能性がある(アメリカでのX線は超高額なことと、アメリカでは処置の必要性を論理的に伝えないと保険会社が「余計な処置」と判断して保険適用拒否することがよくある)とのことでしたが、最終的にカバーされたようでホッとしました。レントゲンを選んだ理由は、他の方法での結核検査はちょっと時間がかかってしまうかもしれない、とのことで、医者からはレントゲンを勧められました。

これに加えて、Covid-19のワクチンはアメリカで発行された接種履歴カードの提出で対応できました。