【退職トラブルエントリ】退職したのに書類上退職できてなかった話

まれによくある話だと聞いたので記事に残す。 同じ目に合う人が少しでも減ることを祈る。

この記事を読めばわかること

  • 退職時、会社が書類を発行してくれないときにどうすればいいか
  • 退職にあたってどのような手続きを会社にして貰う必要があるか。その書類がないと何が困るか。発行してもらえないときの対応方法。
  • ブラック企業の愚痴

何があったか

  • 前職が退職書類処理を一切行っていなかったため、役所の書類上前職で働いていることになっていた
  • 転職後3~4ヶ月経って、届くべき書類が一切届かない+転職先の会社で雇用保険等の一部の手続きが「前職での資格継続」を理由に行えなかったことにより発覚
  • 有給取って丸一日各所に電話かけたり直接訪問してやっと解決。しばらく時間が経ったので公開しました
  • 色々アリエナイ。前職は会社として機能してないことが再認識できた。滅びてほしい(愚痴)
  • 退職先に何度も何度も電話アタックするのは普通に心理的ストレスが半端ないよ

退職に必要な書類たちの紹介

法律を直接あたったわけではなく、ウェブサイトを参照したり役所、ハロワ、年金事務所の人に伺ったりして集めた知識です。
間違っていたり変更されていたりする可能性もあるので、会社と戦うときはご自身でのファクトチェックもお願いします。

公的機関への相談の基本

労働基準監督署
自分の住んでいる場所ではなく、会社のある場所を管轄する監督署に相談するのが原則
とくに県が異なる場合、ルールも異なるので、助言もしてくれない場合がある

源泉徴収

義務・期限

法律によって、会社の発行義務・タイムリミットが決められている

  • 会社は、 従業員の退職日から1ヶ月以内 に交付する義務がある(所得税法
    • 普通は在職中~退職1週間以内に出てくる

無いと困ること

転職をした場合、前職の給与も含めて年末調整を行うので、これがないと 年末調整ができない (税務トラブルにつながる)

もらえない場合

  • 退職した会社に直接電話して依頼する
  • 労基に相談する
  • 税務署(自分が住んでいる地域を管轄する)に相談する(税務指導が入る可能性があり、恨まれる可能性あり)
    • 確定申告シーズンまでにもらえなかった場合、税務署で「源泉徴収未交付の届け出」書類を提出することで、確定申告を猶予してもらうことができる。退職した会社のせいとはいえ、この手続をしない場合 自分が罰金ペナルティの対象になる ので確実に行うこと。

離職票雇用保険

義務・期限

従業員が 退職した日の翌日から起算して10日以内 に、会社がハローワークに提出する義務(雇用保険法離職票の交付は義務ではない。

無いと困ること

  • 離職票
    • 退職後に無職期間がある場合、離職票がないと離職手当が受けられない
    • この書類の提出が遅れた日数分だけ、離職手当が受けられるようになる日が後ろ倒しになる
  • 雇用保険

対応方法

  • 退職前に「離職票ください」を伝えておく
  • 退職後に退職した会社に直接請求を依頼する
    • 会社は、従業員から請求された場合は応じる義務 がある。応じなかった場合、 懲役刑or罰金刑が定められている(雇用保険法
  • ハローワークから離職票の発行を促してもらう(指導)
    • ハローワークへの依頼のためには、直接退職した会社を管轄するハローワークに出向いて行うことが必須。電話では受け付けてないと言われた。

住民税

義務・期限

なし

無いと困ること

特に無し。もし手続きがされておらず、7月に入っても役所から請求書が来ない場合、前職がそのまま払ってる。

対応方法

6月以降、住民税納税書類が届かない場合に以下の手順を行う。

  1. 住んでいる地域の役所の住民税課に連絡し、事情説明した上で、 ①住民税の納付状況②特別徴収として登録されている事業者名 を教えてもらう
  2. 特別徴収にまだ前職が登録されている場合、退職した会社に直接、手続きをするよう依頼する

健康保険

義務・期限

  • 保険加入者は離職した場合、速やかに会社を通じて保険証を返却する必要がある
  • 離職後も保険証の返却がされていない場合、保険組合は本人に督促状を送付する
    • 手元に保険証があるまま退職したのに、督促状も届かない場合はそもそも退職処理が行われていない。退職処理前は会社を通じてやりとりする必要があり、処理後は直接組合とのやりとりになる
    • 僕のケースでは退職時に返せと言われず、督促状も来なかった。つまり保険証が有効なままだということ。保険組合に電話かけたけど組合の人困ってた
    • 保険証が手元にあるからといって使うとまたトラブルになるので注意する
  • ペナルティ等は不明

困ること

特に退職者が困ることは無し。会社はただデメリット。
保険料は本来会社と従業員が折半するものなので、給与振り込みなしに保険が維持されてるということは、会社が存在しない人の雇用経費を払い続けてることになるため。
ちなみにこれは会社側の不手際によるものなので、退職後〜保険残存が発覚した期間の保険料を退職者に請求することはできない。もしされたら労基へGO。

対応方法

  1. 督促状を受け取っていない場合
    • 退職した会社に保険証を送りつける
  2. 督促状を受け取った場合
    • 組合から指定された方法で組合に送る

厚生年金

義務・期限

困ること

  • 前に務めていた会社で退職の手続きがされていない場合、重複加入はできない仕組みなので新しい会社で再加入の手続きができない。
  • とはいえ、加入されている状態をキープすると事業者が毎月支払いをしなくてはならないので、こちらも会社が存在しない人の雇用経費を払い続けている状態になる。